FDA 入れ墨とパーマネントメイクアップについて
入れ墨とパーマネントメイクアップ(もしくはマイクロピグメント)で使用される染料と色素剤(顔料)は、化粧品及び化粧品用色素添加物としてFDA、米国食品医薬品局が定める規定法に基づき管理されています。しかし最近までFDAは、入れ墨に使用される染料と色素剤の取り扱い及び入れ墨施術に関する規定を設けてはいませんでした。むしろそういった問題は、各地域の条例法や管轄地域下での対応がなされてきました。

しかし入れ墨やパーマネントメイクアップをする人の数の増加に伴い、FDAはその安全性に着目し、綿密な調査を開始しました。その中でも特に懸念されている問題として、入れ墨除去または染料を入れる際に起きる拒絶反応、施術から引き起こされる感染症等が取り上げられています。

別の懸念事項としては入れ墨に使用されるピグメント(染料)と希釈剤(ディリューエント)の種類の増加が挙げられます。今現在50以上の異なる種類のピグメントとシェードが市場に出回っており、今後もその数は増え続けていくと思われます。大部分の色素添加物に対する認可は、あくまでも化粧品のみへの使用を前提としたものです。本来入れ墨のように皮膚への注入といった使用目的に対してのものではありません。入れ墨の染料に含まれる不認可の添加物が染料自体の色を薄めてしまうということもあります。また、入れ墨の染料に含まれる大部分のピグメントは皮膚への使用認可を受けていません。いくつかのものは、プリンターのインクや自動車の塗装等のように工業レベルでの使用にも十分対応できるものとなっています。

入れ墨を入れる理由は人それぞれです。成人式等部族への加入儀礼及び伝統や文化的背景から発生した体の装飾、あるいは通常のメイクアップでは容易にカバーできない身体的な問題(悩み)を解消するため等多岐にわたります。自然な印象を与える色素を使用しての入れ墨施術は、顔や乳房の再建手術において不可欠なものです。また、脱毛症(頭髪等体毛を失った状態)が原因で眉毛が抜けてしまった人は眉(部分)を、白斑(皮膚のところどころの色素が抜けてしまった状態)に悩む人はその部分をカモフラージュするための施術を希望するでしょう。

施術希望の理由がなんであろうと、クライアントは施術を受ける前に入れ墨に伴うリスク(危険性)を十分に認識しておくことが大切です。
● 入れ墨に伴うリスク(危険性)とは?
以下は入れ墨施術によって引き起こされる可能性のある合併症状です。

【感 染】
入れ墨施術用器具や針等を媒介して感染する肝炎とよく似た病気。米国血液バンク協会は入れ墨を施術した場合、その後一年間献血を控えるよう勧告しています。

入れ墨用器具を使用前に殺菌消毒しておくということは最も重要なことです。例え針がすでに消毒済みであったり新品であったとしても、器具自体のデザインの関係上、完全無菌状態の針はないということをよく覚えておいてください。加えて、施術を受けた後の最初の一週間位は入れ墨部分をきちんと消毒するようにします。

【除去に関する問題点】
レーザー技術の進歩にもかかわらず、入れ墨の除去施術は困難を伴う工程のひとつでもあります。通常の除去施術にはいくつかの治療方法があり、同時にそれに対しての多額の費用も発生します。まったく傷跡を残さずに入れ墨を除去することは不可能です。『最も発生しやすい問題:施術に対する不満』と『除去技術』の項を参照してください。

【アレルギー反応】
最も困難を伴う色素除去の工程においてアレルギー反応が起きる場合があります。入れ墨を入れている期間が長い人ほどアレルギー反応が起きる確率は高くなります。

【肉芽腫】
小さな塊で丸い形状をしています。体に入れた小さな入れ墨の色素でさえ目立つのと同じように、皮膚にできた場合簡単に見つけることができます。

【ケロイド状態】
怪我をした時、その傷がどんどん大きくなってしまうという人はケロイド体質といえます。入れ墨施術によってケロイドが引き起こされる危険性があります。ケロイド自体が皮膚そのものへの傷となるのは勿論のこと、クライアント自身の精神的な傷となってしまうことさえあります。OCAC(Office of Cosmetics and Colors)の皮膚科学者
Ella Toombs博士は、入れ墨やマイクロピグメンテーションは外傷性傷害になると述べています。『マイクロピグメンテーション その技術事情』(Charles Zwering,M.D., Annette Walker, R.N., Norman Goldstein,M.D.共著)の中でも、ケロイドは入れ墨除去施術が原因で生じる可能性が高いということが記されています。
【MRI合併症】
入れ墨やパーマネントメイクアップの施術を受けた人がMRIを受診した際に、施術部分に腫れや火傷を負ったことが報告されています。これは大変稀なケースであり、尚且つ一過性のもののようです。また入れ墨のピグメント(色素)がMRIのデータ画像の質の低下の原因になるという報告もあります。これは主にパーマネントアイライナーの施術を受けた人が眼の検査でMRIを受診した時に起きるようです。マスカラもまた同様のケースを引き起こすといわれていますが、必要とあれば簡単に落とせるという点で問題はないでしょう。

ここに挙げた合併症の原因は未だ解明されていません。一部の人達はピグメント(色素)に含まれる金属性の成分との関連性を指摘しています。

しかし入れ墨やパーマネントメイクアップ施術部分に起きる可能性にある合併症等の危険性を恐れるあまり、医師の勧めるMRI受診を拒否することはより深刻な事態を招くことになりかねません。入れ墨やパーマネントメイクアップの施術を受けている場合、事前にレントゲン技師等の専門家に伝えておくべきです。それは合併症の危険を回避し、心からの満足を得ることにもつながるのです。

● 最も発生しやすい問題:施術に対する不満
入れ墨施術に対して寄せられる最も多い要望はその除去である、とToombs博士はその著書の中で述べています。入れ墨とパーマネントメイクアップの除去には大きな困難が伴います。入れ墨施術の技術レベルは個人差によるひらきがあります。1999年6月発行の『The Journal of the American Academy of Dermatology』に掲載された記事(J.K.Chiang,S.Barsky, D.M.Bronson執筆)によれば、アイラインへの入れ墨施術において最も大きなトラブルの原因となるのは不適当な部分(誤った部分)に入れられたピグメント(色素)です。参考として、施術者に入れ墨の工程等を確認しておくとよいでしょう。また入れ墨施術を受ける際には、失敗した場合の想定も含めて十分に考慮しましょう。

施術直後の仕上がりに満足したとしても、入れ墨は徐々に退色していきます。また施術者がピグメント(色素)を皮膚に深く入れすぎた場合にも施術部分から周りの皮膚に色移りし、結果として滲んだ(ぼんやりした)印象になってしまいます。

年月や季節によって変化する人間の体そのものが施術に対する不満原因となることもあります。パーマネントメイクアップを施術してしばらくの間は満足していられますが、スキントーン(肌の色)やフェイスライン、ボディーライン等が年毎に変化するにつれてパーマネントメイクアップとのバランスが崩れてきます。顔面の整形外科手術を予定している人であれば、医師からパーマネントメイクアップの効果が失われることに対しての忠告を受けるでしょう。入れ墨は入れた直後はおしゃれで流行の先端をいっているように見えるかもしれません。しかし年月が経つにつれ、きまり悪いものへと変わっていきます。入れ墨やパーマネントメイクアップは気分次第で簡単に変えられるようなものではないのです。
除去技術
入れ墨除去の方法にはレーザー治療、擦過による表皮剥離、乱切法(刺傷処理)、外科手術が含まれます。一部の人は流行の、品位を疑うようなデザインの入れ墨をすることでカモフラージュしようとします。しかしいずれも適当な方法であるとは言えません。

【レーザー治療】
レーザー治療では入れ墨の色素を薄くすることが可能となります。他の方法より簡単かつ効果的です。一般的に治療には3−4回以上の通院と、数週間から数ヶ月の期間を必要とします。治療費は割高となるでしょう。べつの方法としてヒポピグメンテーション(施術希望部分の皮膚の色を薄くする方法)が挙げられます。レーザー治療も同様に、入れ墨のピグメント(色素)の発色を抑える効果があります。

残念なことに、入れ墨やパーマネントメイクアップに使用されているピグメント(色素)は取り扱いが困難なものになってきているのと同時に、その種類も多様化しています。染料はほとんどの場合ブランドネームだけを売り物にして販売されており、成分の化学的な組織構造や混合物等の内容は軽視される傾向にあります。その原因は消費者である入れ墨専門店やサロンへの染料の販売が小売制ではないという点にあります。加えて、製造者側はピグメント(色素)の成分表示に関しての法的規制を受けることがないという点も原因のひとつでしょう。さらに、製造者が他社製品との差別化を何よりも重視しているということもこの現状に拍車をかけているといえます。

また入れ墨除去のためにレーザー治療を受けた後にアレルギー反応が起きたという報告もされています。レーザーを使用することによって、入れ墨染料に含まれるアレルギー物質が体内に放出されることが原因です。

ダーマブレイジョン(ピーリング・皮膚剥離)・・・ワイヤーブラシやダイヤモンドフレーズ(ディスク状のやすり)で皮膚層を削る方法。施術により傷跡が残る可能性があります。

【サラブレイジョン】
塩剤溶液を使用してピグメントを除去する方法。場合によってはダーマブレイジョン(ピーリング・皮膚剥離)との併用になります。しかし最近ではあまり一般的なものではなくなってきています。

【乱切法(刺傷処理)】
酸性溶液で入れ墨を取り除く方法。傷跡が残ります。
外科的除去(外科手術による除去)・・・組織エキスパンダー(入れ墨施術時の傷跡が最小限で抑えられるよう皮膚下に入れるバルーンのこと)を使用する方法。広範囲にわたる入れ墨を完全に除去するには数回に分けての手術が必要となります。

【カモフラージング】
現在入っている入れ墨を除去した後、その部分に再度新しい入れ墨を入れる、もしくは入れ墨を隠したい場合に施術部分に対してあらたに肌色のピグメントを入れる方法。しかしカモフラージング施術で入れられたピグメントは皮膚本来の自然な透明感に欠ける傾向にあると、Toombs博士は指摘しています。
発行元:米国食品医薬品局(FDA)

提供:BIO-TOUCH International Inc
FDA 化粧品への使用が認可されている色素添加物
Part73 Subpart C:バッチテスト免除の色素添加物
21CFR セクションストレートカラー
認可年度(2)
使用目的と制約条件
73.2030
ベニノキ(アナトー)
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2085
キャラメル
1981
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2087
カーマイン(カルミン)
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2095
カロチン
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
頭髪の染色への使用も想定
73.2110
ビスマス(蒼鉛)クエン酸鉛
1978
成分表との組み合わせがNTE0.1%のみ
73.2120
エチレンジアミン四酢酸二
ナトリウムの銅キレート化合物
ポタシウム(カリウム)ナトリウム
1974
シャンプーの着色料
化粧品に含まれる
73.2125
銅クロロフィリン
(銅とクロロフィリンの合成物)
1969
歯磨き粉の着色料
(化粧品に含まれる)
w/restrictions
73.2150
ジヒドロキシアセトン
1973
人体の表面部分の染色を使用目的とした化粧品に対して適用
73.2162
ビスマス(蒼鉛)オキシクロリド
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2186
グアイアズレン
1977
人体の表面に対して使用される化粧品
まつ毛・眉毛等の目周辺部を除く体毛の染色
73.2190
ヘンナ
1965
まつ毛・眉毛等の目周辺部を除く体毛の染色
73.2250
酸化鉄
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2298
クエン酸鉄アンモニウム
フェロシアン化物
1977
人体の表面に対して使用される化粧品
目周辺部への使用を含む
73.2299
鉄フェロシアン化物
1978
人体の表面に対して使用される化粧品
目周辺部への使用を含む
73.2326
クロム水酸化物
グリーン
1977
人体の表面に対して使用される化粧品
目周辺部への使用を含む
73.2327
クロム酸化物
グリーン
1977
人体の表面に対して使用される化粧品
目周辺部への使用を含む
73.2329
グアニン
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
頭髪の染色への使用も想定
73.2396
酢酸鉛
1981
NTE0.6%のみ(重量/分量)
73.2400
葉蝋石
1973
人体の表面に対して使用される化粧品
73.2496
雲母
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2500
1979
指の爪の染色(マニキュア)に使用
完成品のNTE1%
73.2575
チタン二酸化物
1973
目周辺部への使用を含む化粧品
73.2645
アルミニウム粉末
1977
人体の表面に対して使用される化粧品
目周辺部への使用を含む
73.2646
青銅粉末
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2647
銅粉末
1977
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2725
ウルトラマリン(群青)
1976
人体の表面に対して使用される化粧品
目周辺部への使用を含む
73.2775
マンガンバイオレット
1976
化粧品全般
目周辺部への使用を含む
73.2991
酸化亜鉛
1977
目周辺部への使用を含む化粧品
73.2995
発光性硫化亜鉛硫化物(3)
2000
ネイルポリッシュ及び顔へのメイクアップへの使用
使用限度量は完成品のNTE10%場合に応じて使用
発行元:米国食品医薬品局(FDA)

提供:BIO-TOUCH International Inc
バイオ・タッチジャパン(アートメイク・まつげパーマ)

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